コロナで増加? 創業者とVCの相性が悪い「悪縁問題」

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Written by Coral Capital
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本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「The Bad Marriage Problem」を翻訳したものです。Fred Wilson氏による過去の翻訳記事の一覧は、こちら


この1年半でアーリーステージの資金調達市場はこの3つの点で大きく変化しました。

  • 対面からリモートへと資金調達の手段が変化
  • 資金調達の時間軸が数か月から数週間に短縮
  • アーリーステージのスタートアップが調達できる資金源の継続増加

これらの大部分は永続的な変化であると考えています。

また、これらの変化の大部分は、アーリーステージの企業形成やイノベーションにとって良いことでしょう。

しかし、いくつかネガティブな副作用もあります。1つ私が心配しているのは「悪縁問題 」です。公開市場とは異なり、非公開市場の投資では何年も、多くの場合10年以上にわたって株式を保有します。投資家と起業家が一緒に仕事がしづらいなと後から気づいても簡単な解決策はありません。スタートアップのための離婚裁判所はなく、そのため起業家と投資家はうまくいかない結婚生活から抜け出せなくなってしまうのです。

この問題を解決する方法はいくつかあります。現状、有名なレイターステージの会社の株式に限られますが、非公開企業の株式を売買する活発なセカンダリーマーケットがあります。アーリーステージのイノベーションに投資しようという資本は引き続き急増しているので、セカンダリーマーケットは今後より大きな市場に発展する可能性があります。セカンダリーマーケットでの売買を通じて創業者が投資家をキャップテーブルから強制的に追い出すのは難しいでしょうが、セカンダリーマーケットでの売買を通じて投資家が自発的に投資先から離れることはあり得ると思います。

またスタートアップの取締役会は進化する必要があると思います。取締役会における投資家の取締役を減らし、独立社外取締役を増やすべきでしょう。投資家はオブザーバー席をもっと受け入れるべきで、創業者はどの投資家を取締役にするかについてもっと権限を持つべきです。創業者が取締役会をコントロールすべきと言いたいのではなく、投資家が取締役会をコントロールすべきではないと言いたいのです。独立性のあるコントロールが最も持続可能なソリューションではないでしょうか。

結婚生活がうまくいかないと、当事者以外もダメージを受けます。創業者と投資家の関係がうまく機能していない状況は会社にとってよくありません。そして、私たちが現在置かれている短期間で結婚を決める状況は(これは今後もしばらく続くでしょう)、このような悪縁を増やしかねません。私たちはうまくいっていない結婚生活を終わらせ、より良い関係に移れるようにするソリューションを考えるべきなのです。

(Fred Wilson氏による記事の翻訳一覧はこちら

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