変遷してきたVCと投資先企業の関係性

Articles
Written by Coral Capital
Share
Copy URL
Copied!

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「The VC/Company Relationship」を翻訳したものです。Fred Wilson氏による過去の翻訳記事の一覧は、こちら


私がVCを始めた1980年代初頭、VCと投資先企業の関係性は今とは大分違っていました。

資金が集めづらかったので、VCは今では笑われてしまうような条件を突きつけ、投資後はまるで投資先の会社を所有しているかのように振る舞っていました(実際に所有していることもありました)。

VCと投資先企業との関係性は、今のVCビジネスよりPEビジネスに近かったと言えます。

昔のVCは、自分たちの顧客はリミテッド・パートナーであると考えていました。贅沢な年次総会を主催し、リゾート地で3日間かけ投資家をもてなしました。

資金が集めづらいのはVCにとっても同じで、資金提供者に選ばれるよう力を注いでいたのです。

しかし、1990年代になって最初のインターネットバブルが起きて資金が集めやすくなると、この状況は一変します。

1990年代半ば、Flatiron Partnersを設立したとき、私は同僚に「私たちの顧客は起業家であって、投資家は株主として扱いたい」と伝えました。

当時としては斬新な考えでしたが、私はこれをずっと主張してきましたし、今活躍している最も優れたVCが投資先企業と築いている関係性を的確に表していると思います。

投資先企業が私たちの顧客です。

USVには、約70社からなるポートフォリオネットワークがあります。10か国、20都市以上にまたがり、約8,000人の社員が在籍しています。

私たちは投資先企業をサポートする専任チームをつくり、「顧客志向」の理念を反映するいくつかの基本指針に基づいて活動しています。

昨日、ウェブサイトに当社の基本指針を掲載しました。こちらからご覧いただけます

これを読めば、私たちは投資先企業をサポートするためにあって、その逆ではないということがわかってもらえると思います。投資先企業は私たちの顧客で、彼らの成功が私たちの成功なのです。

私はこれがあるべきVCと投資先企業の関係性であると考えています。

(Fred Wilson氏による記事の翻訳一覧はこちら

New call-to-action
BACK TO LIST BACK TO LIST

Related Articles

Show All