skip to Main Content

「フェイクCEO」になってはいけない

最近、とても心に響く話を聞きました。Zyngaの共同創業者であるマーク・ピンカスが、PR関連の仕事に追われる長い1日を終えた後に、VCファーム・Foundry Groupのパートナーであるブラッド・フェルドと話をしていた時のことです。ピンカスは報道機関からおびただしい数のインタビューを受け、どうやら有名誌の表紙を飾ることになっていたらしいのです。

ピンカス:「今日は、フェイクCEOの日でしたよ」
フェルド:「それはどういう意味ですか?」
ピンカス:「実際のビジネスの運営とは全く関係ないことに、丸一日を費やしたということです」

フェイクCEOとは、世間から脚光を浴びることに気を取られ、自分の会社を成長させるよりも、自分自身の評判を高めることにばかり執心する人物を指します。フェイクCEOは、社内トラブルの火消しをするよりも記者会見やカンファレンスへの参加を優先し、SNSに膨大な時間を費やします。社内で炎上が続いているのに、自分が有名人になることで頭がいっぱいなのです。

PRは重要です。PRは、販促や採用、資金調達を進める上で最もコストパフォーマンスの高い方法のひとつでもあります。CEOがPRに時間を割くべきなのは確かです。しかし、バランスを正しく取ることが大事です。PRに時間をかけすぎて、組織の基本的なマネジメントをおろそかにしていると、いつか限界が来ます。あらゆる活動は、何らかの意図のもとに行うべきです。また、その活動が会社にどのような成果をもたらすのか、しっかりと説明できなければいけません。

タイミングと優先順位もまた重要です。ピンカスは、Facebookがニュースフィードの仕様を変更するという話を聞いた時、ハーバードビジネススクールでの自らの講演をキャンセルしました。Facebookの仕様変更は、Zyngaの事業に大きな影響を与えるものだったからです。もしもそのような事態の中、彼が講演を行っていたとしたら、彼は間違いなく「フェイクCEO」と呼ばれていたことでしょう。

企業への注目度が高まるにつれ、周りに流されてフェイクCEOになってしまう可能性も高まります。有名になると、カンファレンスに招待される機会が一層増え、さらに多くのインタビュー依頼を受けるようになります。誘惑が増え、雑音をかき消すのが難しくなるのです。PRは大事なことですが、やりすぎないように自制しなければいけません。

ちなみに、「フェイク○○」は他の職業においても当てはまります (例:「フェイクVC」)。様々なイベントが絶えず開かれている中で、私自身も「フェイクVC」になってしまうことがたまにあります。本当に重要な活動に集中し続けるよう、自戒を込めてこの記事を書きました。

リーダーシップ広報
James Riney

James Riney

Founding Partner & CEO @ Coral Capital

Coral Insightsに登録しませんか?

Coral Insightsのメーリングリストにご登録いただくと、Coral Capitalメンバーによる国内外のスタートアップ業界の最新動向に関するブログや、特別イベントの情報等について、定期的にお送りさせていただきます。ぜひ、ご登録ください!

Back To Top