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シードファイナンスは何のためにあるのか?

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「What Seed Financing Is For」を翻訳したものです。原文は2014年に公開されたものです。


Marc Andreessenは先週、シードファイナンスについてどのように考えているのか、そして、どうすればシードファイナンスからシリーズAラウンドやシリーズBラウンドに繋がるかについて、ツイートを連投していました。

最近のシードの規模は大きくなりすぎていますし、プロダクトを作り出し、プロダクトマーケットフィットを見出すことができるものにのみシードで投資を行うべきだと強く感じています。

理論的には、上記の全部をやるだけの資金だけでなく、それよりずっと多額をシードで調達することはできるでしょう。また、起業家たちは皆、受け入れられる希薄化である限りにおいて、できるだけ多額の資金を調達するよう推奨されてもいますし、そのことに興味を持っています。

しかし、私は保守的な人間です。私の考えでは、スタートアップを築き上げ、それに投資することは、階段を一段一段と上がっていくことなのです。私のパートナーであるAlbertは、ビデオゲームを使った例え(レベルアップ)を好みました。どちらでも話は同じです。ここでは階段の例えで話しましょう。

上らなくてはならない1段目は、製品を作り出し、それをマーケットに送り出し、それからプロダクトマーケットフィットを見つける、ということです。シードファイナンスはこのために使用すべきだと考えています。

上らなくてはならない2段目は、プロダクトマーケットフィットを見出したことにより形になったビジネスを経営し、成長させるのを支えることができる小規模なチームを作ること、そのための人を雇うことです。このために、シリーズAの資金があります。

上らなくてはならない3段目は、チームの規模を拡大し、収益を増やし、市場を獲ることです。このために、シリーズBの資金があります。

上らなくてはならない4段目は、全ての経費を差し引いた後のキャッシュフローでビジネスを支えたり成長させたりすることができるように、ビジネスを収益性のあるものにすることです。このために、シリーズCの資金があります。

5段目は、自分や自分のチーム、そして自分自身や社員、投資家のために、流動性を生み出すことです。このために、IPOやセカンダリーマーケットがあります。

こうした世界の見方はとても単純化されたものです。楽々と階段を上り、各段を完璧にこなせるスタートアップは、ほとんどありません。悪いことも起きるでしょう。しかし、誰もがそれを知っていますし、誰もがそれに対処できます。

ただ、皆さんに伝えたいのは、何年にもわたって私が関わってきた全てのポートフォリオの中で、最高の結果を出している会社というのは、多かれ少なかれこのように階段を上っていったということです。

最初の3段を飛ばして4段目に着地することは、仮にそうすることができる足(それに資金)を持っていたとしても、いい考えではありません。それはリスクを伴います。うまく着地できなければ、滑って転んでしまうでしょう。そうなれば、起き上がるのは難しいのです。

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Editorial Team / 編集部

Coral Capital

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