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非エンジニアの創業者が、1人目のエンジニアの実力を見抜く方法

特に日本ではそうですが、多くのスタートアップでは、CEOが非技術系の共同創業者である傾向にあります。このポストでは「なぜそうなのか」や「この傾向が良いのか悪いのか」については論じません。これから書くことの背景として、そうした傾向があることを、まず共有しておきたいと思います。

技術系でないCEOは資金調達を担当することが多く、そのため、私たちが最初に会う共同創業メンバーも、そうしたCEOのことが多いです。そうした方とやり取りする中で、よく驚くのは、創業者CEOが、技術担当の共同創業者(または1人目のエンジニア)が過去にどのような仕事をしてきたのかについて、実はほとんど知らないことがあるということです。

そういったCEOはエンジニアリング担当のチームメイトの経歴を大まかには説明するでしょう。例えば「彼女はSIerのエンジニアだった」という具合です。でも、そのエンジニアが実際に何を作ったのか具体的に説明するよう求められると、彼らはそれ以上の説明ができず、ぼろがでます。正直に言って、これは私には驚きですし、かなりまずい「黄信号」です。

CEOが技術チームのメンバーの詳細な職務経歴を知らないという事実から分かることが、いくつかあります。まず、その共同創業メンバーたちが、そもそもお互いのことをよく知らないのだということです。詳しく聞いてみると、そのCEOは「エンジニア」を探していたときに「エンジニア」と分類される人を紹介されていた、ということがよくあります。そのCEOはプロダクトを作ることができるエンジニアを見つけるのに必死で、ちゃんとデュー・デリジェンス(適正評価)することなく、パートナーとしてしまったのです。そのエンジニアがチームを率いてプロダクトのローンチを成功させたことがあるのかどうか、あるいはWordPressでウェブページ開設を手伝っただけなのか、全く分かっていないこともあります。

CEOとしては、必ずしもプロダクトについて技術的な詳細まで深く理解する必要はありません。ただ、最低でも技術要件についての基本的なことは理解しておくべきでしょう。そして、最初の開発サイクルを回そうとしている人について注意深くきちんと調べるべきです。その人はあなたのプロダクトの基礎を作ろうとしているだけでなく、この先あなたが集めることができるエンジニアの質にも大きく影響することでしょう。

技術担当の共同創業者を評価しようというとき、気をつけるべきことが2つあります。1つ目は当然「技術的な能力」です。この面での良好なシグナルはネットで見つけたり、正しい質問をすることで分かります。

  • GitHubで100個以上のスターが付くようなオープンソースへの貢献をしているか。他のエンジニアが薦めるような出版物やブログ記事があるか。CEO自身は技術的な能力を評価することができないとしても、他のエンジニアからの賞賛が良いシグナルとなります。
  • 実際にその人が開発した、オンラインで確認できるプロダクトがあるか。どこまで関わってたかは見えない部分もあるので、それほど強いシグナルとはならないかもしれませんが、少なくともある程度の指標になります。最低でもこれらのプロジェクトについて具体的な詳細を聞けば、その人の役割をより把握できるでしょう。
  • 趣味でコードを書いているか。ときどき私たちはエンジニアの方々に「最近どのような趣味のプロジェクトでコーディングをしたか」や「どのようなプログラミング言語を学習しているのか」と質問することがあります。もし彼らの目が輝いて、しばらく語ることができるなら良いサインです。

あなたが評価すべきもう1つのポイントは「経営者としてのポテンシャル」です。理想的を言えば、技術担当の共同創業者が他のすばらしいエンジニアたちを採用してマネジメントできることが望ましいはずです。そうした能力を評価するときに考えるべきことをいくつか挙げます。

  • これまでの開発プロジェクトでどのような役割を担っていたか。他のエンジニアたちをリードしていたか。何人ぐらいのチームを束ねていたか。それらのプロジェクトは成功したのか。
  • 他のエンジニアたちがその人と一緒に働きたいと思うかどうか。一緒に働いていた人々が他の会社までついてくるなら、それは間違いなく良いサインです。資金調達が成功したときに誰を雇いたいか、そして給料を出すための資金を確保できたとき、その人たちはジョインすることに同意していますか、と聞くこともあります。
  • コミュニケーション力があるか。どのようにプロダクトを作るのか(どのプログラミング言語や技術を使うのか、そしてそれはなぜなのか)を非技術系であるあなたに対して説明するよう求めてみましょう。もし何をしているのかをあなたが理解できる簡単な言葉に噛み砕いて説明できるなら、それは良いサインです。

あなたの1人目のエンジニアが必ずしもマネージャーとして優秀である必要はありませんが、少なくとも実際どうなのか理解しておくべきでしょう。スタートアップでは最初のエンジニアに「CTO」のタイトルが与えられがちです。この「タイトル・インフレ」の問題は、その人が長期的に組織とともにスケールできるかどうか分からないということです。その人はスーパープログラマーかもしれませんが、他のエンジニアのマネジメントができるでしょうか。もし確信がないなら、「リード・エンジニア」のようなタイトルから始めるのが良いかもしれません。リードする能力を発揮したときにCTOへの昇格を伝えるのは、たやすくてワクワクすることですが、後になってからCTOからの降格を伝えるのは難しくて気が滅入るものです。

技術系のメンバーが会社の未来に対してどれほど重要な要素なのかを考えると、自分たちの技術チームがこれまでに何を成し遂げてきたのかについて、ほとんど何も知らない非技術系創業者が多いというのは、私には驚きです。言うまでもないことですが、エンジニアなら誰でも同じということはありませんし、誤った人をパートナーに選ぶことは自滅につながる意思決定となり得ます。時間と労力を惜しまず、あなたのプロダクトを作っていくことになる人について知りましょう。

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James Riney

James Riney

Founding Partner & CEO @ Coral Capital

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