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未熟なリーダーが陥る2つの症候群

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Growth」を翻訳したものです。


投資先の起業家が時間とともに成長する姿を見られるのは、私の仕事における大きな喜びの1つです。

電話やミーティングの後、「すごい、まるで別人のように成長している」と思うことがこの数か月の間に何度かありました。

起業家が会社のリーダーへと成長するには時間がかかります。過ちや失敗を乗り越え、フィードバックから学び、努力しなければなりません。ある日突然、魔法のようにCEOになって、すべてがうまくいくというものではないのです。全くそうではありません。最終的な経営判断を下す権限があるからといって、起業家がその役目をうまくこなせるということではないですし、周りがそれに付いて来てくれるということでもありません。

リーダーシップはプロセスであり、他のどのようなプロセスもそうであるように、時間をかけ、忍耐を持って身に着けていくものです。そして成長しようと行動する人の前には道が開かれるでしょう。

起業家が陥りやすい症候群が2つあります。「ヘッドライトに照らされた鹿」症候群と「私に任せろ」症候群です。どちらも、まだリーダーになりきれていない起業家に現れます。

「ヘッドライトに照らされた鹿」は比較的分かりやすいでしょう。リーダーとしての落ち着きや安定感に欠ける起業家のことです。起業家の目を見れば分かります。「ヘッドライトに照らされた鹿」症候群の起業家に対し、私はサポートやアドバイス、建設的なフィードバックを提供するようにしています。「ヘッドライトに照らされた鹿」状態から、1年以内にしっかり意思決定のできるリーダーへと成長する起業家を私は見てきました。成長するのに、1つか2つ、乗り越えなければならない困難に直面するのも役立ちます。問題が大きいほど、その起業家は早く、強いリーダーに成長することができるでしょう。

「私に任せろ」症候群はもう少し厄介です。このタイプの起業家はリーダーの役目を分かったつもりになっていますが、実際は分かっていません。周りの人はその事実に気がついています。本人だけ気づいていないのです。「私に任せろ」症候群の起業家に対し、私は思いやりを持って厳しく接します。ですが、多くの場合、それだけでは治りません。「私に任せろ」症候群に有効なのは、何かしらの失敗、ほとんどの場合、かなり大きな失敗をすることです。重要なのは、起業家が失敗したときにそばにいて、失敗から立ち直り、失敗した理由を振り返って改善するためにサポートすることです。

ここでは未熟なリーダーが陥る症候群を2つしか挙げていませんが、この2つは私がもっともよく遭遇するタイプです。

リーダーになる意欲があるのなら、誰でもリーダーになることができると私は考えています。リーダーシップというスキルの学びに終わりはありません。リーダーシップを身に着けるには、自分自身を省みる力と勇気、深い共感力が必要だと思います。

経営会議に同席し、優れたリーダーが働く様子を見るのは圧巻です。起業家がそのようなリーダーに成長するのを見届けられるのは、私の仕事における大きな喜びとなっています。

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Editorial Team / 編集部

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