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成し遂げる自信のある嘘と、無謀な嘘

本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「Self Confidence」を翻訳したものです。


今朝、友人と話をしていました。彼はあるとき、本当は手元にお金がないのにあると言い、そう言ってからお金を手に入れる方法を探して工面したと話していました。

彼の話を聞いて、マーク・マコーマックの「ハーバードでは教えない実践経営学」という本を思い出しました。支払うお金がないのに大型契約を取り付けて、それから資金調達の方法を探してお金を間に合わせたという話が度々出てくるのです。

マーク・マコーマックも私の友人も、今は手元になくとも、お金を工面できる自信があったのです。

私が大学生だった頃の話です。仕事を探しているとプログラミング言語Fortanを使った開発の求人を見つけました。BASICのざっくりとし知識はあったのですが、Fortranは知りませんでした。

それでも私は面接に行きました。先方にFortranの知識はあるかと尋ねられた私は「はい、Fortranで開発したことがあります」と言い、週末、家で見るのにソースコードを持ち帰ってもいいかと聞きました。

ドットマトリクスプリンターで大判のコピー用紙に印刷されたソースコードは、結構な量がありました。紙の束を自宅に持ち帰って読み始めると、このFortranのプログラムを書いたポスドクは、すべてのコードに説明のコメントを残していることが分かりました。

コードが1行あって、次の行に「入力値に従ってレーザーを右に動かす指示」といった説明があるのです。

笑みがこぼれました。Fortranを習得し、プログラムのメンテナンスの仕事がこなせるという確信が持てたのです。実際、その通りになり、MITに通う学費の一部が賄えました。

嘘をつくことを推奨しているわけではありませんが、私も友人も嘘をついたと言えます。ただ、私も友人も、自分に成し遂げる自信のある嘘をついたのです。

成し遂げる自信があるということと、単なる向こう見ずさの間には、はっきりとした線引きがあり、私は自分のキャリアを積む上で後者ではなく前者をうまく使うことができました。そして前者の要素は、ビジネスに多少必要なものだと思っています。それがないと挑戦しなければならないときに挑戦することができませんし、挑戦しなければ、ほしいものを手に入れることはできないのです。

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