「プルフォワード」現象:急伸イベント後に成長曲線が元に戻る

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Written by Coral Capital
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本ブログはニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナーを務める、Fred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏のブログ「AVC」の投稿、「The Pull Forward」を翻訳したものです。

Fred Wilson氏による過去の翻訳記事の一覧は、こちら


先週(2021年12月中旬)、同じことを示す2つの表を目にしました。

<図表内翻訳>タイトル:小売販売におけるEコマースの割合は以前の成長曲線の推移に戻る。米国の小売販売に占めるEコマースの割合に季節調整がかかった。ロックダウンのピーク:小売店の閉鎖に伴い、Eコマースがかつてない急伸。ロックダウン解除

この表は、先週紹介した説明資料「Consumer Trends 2022」にあったものです。2020年に大きく伸びた後、2021年に少し落ち込みましたが、Eコマースのトレンドラインは以前の水準に戻っています。

<図表内翻訳>DuckDuckGoの検索トラフィックの推移

こちらはUSVの投資先であるDuckDuckGoの検索トラフィックを10日間の移動平均で示した表です(詳細はこちらからご覧いただけます)。2020年後半に大きく上昇した後、2021年前半に落ち込み、今は以前の成長曲線の水準に戻っています。

これらはいずれも、いわゆる「プルフォワード」と呼ばれる、大規模だけれど、持続しない新規ユーザーの増加が起きる出来事や一連のイベントが発生したことを示しています。急成長後、しばらく横ばいか、減少することがありますが、またしばらくすると以前の成長ペースに戻ります。

2021年は、パンデミックやその他の要因(DuckDuckGoの場合は大統領選挙の影響が大きかったです)により成長を後押しされたため、私たちの投資先の多くも同じような成長曲線を描いていました。事業がかつてないほど急成長していれば気分はよくなります。しかし、横ばい、減少しているときの気分は最悪です。

これらのいびつな曲線の多くは、生活が徐々に元通りになり始める2022年に、通常の形に戻ると私は考えています。

この2年間を切り抜けるのは簡単ではなかったはずです。思いもよらないことが次々と起きました。特需と失速を経験しました。こんなときは物事の本質を捉え、一喜一憂しすぎないことです。

(Fred Wilson氏による記事の翻訳一覧はこちら

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